東日本大震災こども未来基金:作文
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第1次選定者の作文 - 9: 「学校で学びたいこと」
(名前のアルファベットは、便宜的なもので、イニシャルなどではありません)

KJさん(岩手県、高1、父をなくす)

 私は読書同好会に所属しています。今まで読書をする機会が少なく、ときどき読む程度でした。だけど苦手な国語を克服するための一つの力になればいいと思い入りました。読書をすることで様々な種類の本に出会い、触れ、文章になれたり読解力や理解力をつけたりできるようにしてそれを国語の現代文や古典の勉強にいかしたいです。ほかにも集中力を鍛えたりひとつのことに熱中するということを大切にしたいです。
 また読書同好会では自分が読んでいる本やおすすめの本の紹介やみんなで同じ一つの本を読み、感想や意見などで思ったことを言い合うということをしています。同じ本でもそれぞれ感じることは違うのでみんなの話を聞いていると自分とは違う考えで発見などがあり勉強になります。人前で話すことや他の人の意見を聞いて考えることなども苦手なのでここで学びたいと思っています。
 同好会の中だけではなくクラス内や先生方など人との出会いを大切にして人間関係の面でも学んでいきたいです。

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KHさん(岩手県、高3、母をなくす)

 私が学校で学びたいことは、自分の将来の夢を実現するために必要な知識や心構えです。私は将来看護師になりたいと思っています。そのために進学した学校では、次の三つのことを意識して学習に取り組みたいと思っています。
 一つ目は、ボランティア活動や行事などでコミュニケーション能力を高めることです。自分がすべきことを理解し、他者が何をしたいのかを理解して円滑な協力関係を築くことができるようになりたいです。
 二つ目は、学校で学ぶ科目をきちんと理解し、日常生活や社会生活にいかしたいです。そのために確かな知識や技術を学び、その場に適した正しい対応ができる力を身につけたいです。自ら意欲を持ち学習に励み、自分がやろうと思ったことを行動に移すことを意識し、実現していきたいです。
 三つ目は、多くの先生方と授業を通し、交流することで、一人ひとりの持つ豊かな経験を自分のものとすることです。そのためにいろいろな人の立場に立ち、複眼的に考察する機会を増やし、自分自身の経験や自分の考えている論理を絶対視することなく、相対化して見直す習慣を身につけていきたいです。
 これらの三つの目標を持ち、一日一日を納得のいく、充実したものとしたいと思います。

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KIさん(岩手県、高3、父をなくす)

 高校生活最後の一年、自分の将来を大きく左右する一年。新たに気を引き締めて迎えようとしていた高校三年生に、私は大震災の混乱の中でいつの間にかなっていた。
 震災から百日以上がたち、高校も避難している人たちを除いては普段通りに機能している。もちろん高校三年生が立ち向かうべき大学受験も例年通りあるのだ。自分の入学したい大学に入るためには、ひたすら勉強だけを学校から学べばよいのかもしれない。けれど、それだけで、大学受験が乗り越えられるとはどうも思えない。震災によって、より大切に思えたのは人とのつながりだ。
 私たち受験生はライバルであると同時に、支えあえる存在だ。わからないことがあったら友達に教えてもらう。そんな些細なことで自分が一人で戦っているのではないのだと気づかされる。問題に取り組むのは自分一人かもしれないが、その答えに辿り着く間には多くの助けを借りている。友達、先生、家族、みんなとのつながりが私を強くしている。このクラスで、この学校で過ごす残りの期間でどれだけ私たちはつながり合えるのか。それぞれ個人の目標は違っても、向かうべき場所は同じなのだ。震災で改めて感じた人とのつながりを、私たちのクラスは、私たちの学年はどれだけ強くできるだろうか。どうやったら強くできるだろうか。その方法を今、私は知りたい。そして、それを学べるのはやはりこの学校からだと私は思う。震災にへこたれない人間のつながりを私はこの場所で学んでいきたい。

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